経営理念体系とは、以下のピラミッドに表されるように、上部は「上位概念」といわれる最も大切な価値観で、下部は「下位概念」とされています。下部にある考え方は重要ではない、ということではなく、ナスクの大切な価値観を多角的に表したものがこの経営理念体系です。

創業の精神
「出入口の精神」
創業者である父、永田重志の訃報を受けた利一は大学を卒業して東京の保険会社に就職したばかりで、銀行から2000万円の借金があり工場や土地を売っても完済できないことを聞かされた。
悩み抜いた末に利一は意を決してナスクの前身である(有)上熊本建具工業所を継いだ。
建具に対する知識もなく、飛び交う言葉の意味すらも分からず、借金はすぐに倍に増えた。
当然値付けもままならない状態で、ある会社に見積を持っていくと「おい、この値段は高いぞ!」と自分の都合のいい金額を押し付けられた。しかし後にそのような人の弱みに付け込んだ会社は軒並み倒産していった。
自分の利ばかりを考える人間はその時は良くても、将来的に発展していない。
まずお客様の利を第一に、請けた以上は工期を守る、「若造が!」と怒鳴りつけてくる気の荒い職人さんの機嫌を損ねても、仕上がりが悪い時は、頭を下げて「品質のいい仕事をしてほしい」と作り直し、お客様の喜ぶ品質を提供する。
どんなことがあってもそれらを守ることでしか信頼を築く道はない。
相手の利を一番に考えて、自分たちの持てる力を発揮して相手の喜ぶ仕事をしていく事を「出入口の精神」とし、入れることよりもまずは出すことを義とするこの精神こそが、永田重志が創業時に世の中に貢献したいと志し、利一が体現してきた我が社の根底に根付いている「創業の精神」である。
経営理念
木で「つくる」
私たちは、木で「つくる」という経営理念を通して4つの「つくる」を実現していきます。

ミッション
世の中を感動させる仕事、それこそが
「さすがナスク!」
私たちの使命は、単に木製建具や家具を製造・納品することではありません。お客様の期待を超え、「さすがナスク!」と称賛されるほどの感動を生み出す仕事を通して、社会に貢献することです。
それは、ときに非常に厳しい工期、高度な品質要求、前例のないオーダーへの挑戦など、困難な状況をも乗り越える姿勢から生まれます。
現場監督やお客様が「困ったときはナスクに頼めば何とかしてくれる」と信頼を寄せてくださる存在になること。そして、納品の瞬間に頂く「さすがナスク!」という言葉こそが、私たちの社会的存在価値の証です。私たちは、期待を超える感動を創出し続けることで、人と社会の未来に貢献していきます。

ビジョン
価値ある仕事、いい人生
Be a Valuable Company
ビジョンとは、ナスクが目指す未来の姿です。
「価値ある仕事、いい人生 Be a Valuable Company」という言葉の中心には、 “価値をつくり出し、広げていく会社でありたい”という想いがあります。
私たちが考える「価値づくり」は、次の3つの視点から成り立っています。
①プロとして成長し、ものづくりに価値を生み出す 木という素材に向き合い、技術と心を磨き続けることで、ただの材料を付加価値のある製品へと変えていきます。 職人としての成長=価値を生み出す力の向上であり、それが「価値ある仕事」の土台となります。
②お客様のさらに先のお客様に喜ばれる価値を届ける 私たちのお客様であるゼネコン・工務店の先には、その建物を使う人、住む人がいます。 その方々に「この建物にして良かった」「この会社に頼んで正解だった」と感じていただけるような仕事をすることが、 お客様の評価を高める=顧客価値の創造につながります。 ナスクは、お客様の信頼を支える存在として価値を提供します。
③価値ある仕事を通じて、私たち自身の人生を豊かにする 仕事とは、単に生活のためにするものではありません。 成長の喜び、お客様からの感謝、仲間と達成を分かち合う誇り―― これらの経験を通じて、**「この会社で働いてよかった」「自分の人生は価値あるものだ」**と実感できる職場をつくります。
ビジョンの「いい人生」とは、仕事を通じて人生の価値が高まっていく生き方を意味しています。ナスクのビジョンは、価値を創造する仕事を通じて、お客様にも社会にも、そして働く私たち自身にも「この会社があってよかった」と思っていただける、価値ある会社になることです。

社是
決してあきらめない
私たちは、どんなに厳しい工期でも、絶対にあきらめず、知恵を出し合い、間に合わせてきました。
また、求める品質に届かない場合も、あきらめることなく向き合い、解決してきました。
私たちはこれまでも、これからも、決してあきらめることなく、お客様との約束を守り続け、信頼される仕事をします。

社訓
大道を進め
人に恥じない道を生きる
大道とは、「人として正しい道」「まっすぐで堂々と胸を張って歩ける道」のことです。
私たちは、商売を行う上で、誰からも疑われることなく、後ろめたさのない正々堂々とした姿勢で仕事をしなければなりません。卑怯な近道やごまかしに頼るのではなく、お客様の困りごとを正面から解決し、喜びや信頼を生み出すことこそが、人として、企業として進むべき正しい道です。
ナスクは、この「大道」を歩むことで、社会に必要とされ、尊敬される会社であり続けたいと考えています。

教育理念
一人一人が主役になり、
一人一人が輝く人となる
「一人一人が主役になり、一人一人が輝く人となる」というのが我が社の人材やその育成における基本的な考え方です。
ナスクでは個性豊かな社員が在籍しています。その一人一人が持っている大切な個性や特徴を私たちは何よりも尊重したいと考えています。
世の中に“完璧な人間”はいません。誰もが何かしらの課題や弱さを抱えた「デコボコ」な存在です。 だからこそ、自分の得意なことや強みを活かし、お互いに補い合いながら働く――それが私たちナスクのチームの在り方です。
それぞれの社員が、自身の得意分野を見出し、それを磨き、やがて光り輝く存在になる。そうすることで一人ひとりに“居場所”が生まれていきます。
「この仕事だけは誰にも負けない」
「この機械を扱わせたら、自分が一番だ」
――そんなふうに、自分の持ち場に誇りと自信を持ち、堂々と“主役”として活躍すること。 そのようにして個性や強みを発揮し、輝く存在となった先にこそ、 お客様の喜びを生み出すことができると、私たちは信じています。与えられた場で、自分の可能性を信じて前向きに取り組み、成長していくこと。
それこそが、仕事を面白くしていく鍵です。
私たちは、一人ひとりが与えられた個性を大切にし、それを活かし、磨き、光り輝く――
そんな人材と共に未来の価値を創造していきます。
